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生きなくちゃ(キレることもあるさ、人間だもの-2007-09-13)

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★生きなくちゃ

母が認知症の祖母にキレていました。
祖母の通院に母が付き合い、帰宅してしばらく経ってからのことでした。

私の居候先である実家に、祖母は同居しています。 母にとって祖母は実母です。
実の親子だからか、お互いにあまり遠慮がありません。
母が大切な物を紛失したことに気づきました。

通院先で貰ってきた祖母用の尿検査容器です。
祖母の持っていたバッグの方が大きかったので、母は祖母のバッグに入れたそうです。 母が用事をこなし、尿検査容器のことを思い出した時には既に手遅れでした。 祖母は袋と紙コップと説明書をバラバラにし、あちこちに分別して片付けてしまった後でした。
祖母は自分のしたことをすぐに忘れてしまうので、片付けた場所はもちろん、片付けたことも忘れてしまいました。

ロケット
母の頭に血が昇るのが分かりました。

殴りかかりそうな怒りでした。 母は自分に非があることは十分に分かっていました。
祖母は悪気がなく、認知症だから仕方がないのです。 それでも、我慢はできなかったのです。
祖母にかなりきついことを言っていました。

でも、すぐに怒りは納まり、いつもどおり、昼食の支度をしてあげてました。

いや、いつもより気をつかってました。 反省しているようでした。
私は言葉を失ったまま一部始終を見ていました。
母に非があるか否かは置いといて、私は母に深く同情しています。

そして、 「自閉症と認知症ってやっぱりどこか似ている」 と思うのです。
4才の息子と、88才の祖母ですが、干支以外にも共通する部分があります。
今回の件のように、息子が物を紛失させた場所を覚えていないことに私が腹を立てたことは何度もあります。
口ばかり達者なところも似ています。 食べたのに「食べてない」と言うところも似ています。

自閉症や認知症は、見えない障害や病気です。 息子は五体満足で、元気一杯です。
祖母は内臓も体も健康です。 感情的になってしまうのは理解が足りないからではないと思います。
不自由のある本人もつらいでしょうけど、感情的になってしまう方もつらいのです。

母が祖母にキレてしまったように、私も息子にキレることがあります。

「自閉症だから許す」って、私にはとても難しいことです。

だけど、たくさん許してきました。 「自閉症だから仕方がない、仕方がない・・・」 そう繰り返し、心の中で念じます。 自分の心を殺すような作業です。 思うがままに、叱り飛ばしたり、怒鳴り散らしたりできたら、どんなに楽だったことでしょう。

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普通のお母さんのように。 私が母にされたように。
サザエさんがカツオくんに言いたい放題のように。
(関係ないですが、いつもカツオくんのことをかわいそうに思ってしまう私です)

もちろん、自閉症だからって許されないことは許しません。 注意したり、叱ったりしなくてはなりません。

常に、障害児の母としてどう判断するべきかを考える必要があります。
健常児より判断する機会は多いと思います。 親のエゴが入ってないか、息子にとってどうなのか、自問自答です。
とても難しいことです。 息子を許さなければならないことが、許せないことも多々ありました。

もちろん、親として正しいとは思いません。 そんなこと、十分、分かってるのです。
でも、私は完全な人間ではありません。 障害児の親は誰かに任命された人間ではありません。
正しくできないことだって、間違えることだって有り得るのです。

多くの自閉症関連のマニュアル本は、一番長い時間一緒にいる母親には優しいものではありません。

親はこうあるべきだ、ああやるべきだ、と書かれています。
子供の状態に我慢できないのなら障害を理解できてない証拠、と読める内容もあります。
母親は自分の自然な感情を丸ごと投げ捨ててしまえばよいのでしょうか。

理想論ばかり並べられていて、私にはきれいごとのように思えます。
子供に必要なのは、まず第一に、“笑顔の母親”ではないでしょうか。

私はずっと女優を演じ続けたくはありません。
偽善者にはなりたくないです。

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