タロウのひどい偏食には前向きに諦めるようにしているので、悩まなくなった。
タロウ的偏食、つまり、食べ物に対する警戒心や拒絶により、口から吐き出すのは日常茶飯事だ。
私も少しは対応に慣れた。
食に関することでもっと大きい悩みは、タロウが食べ物をうまく飲み込めないことだ。
“飲み込めない”とは、上の前歯の裏から喉の間の『くぼみ』に食べ物がべったりくっついてしまうことだ。
それをうまく即座に取り出してやらないと、すがるように苦しみ続け、やがて吐いてしまう。
どんな食べ物だと飲み込めなくなりやすいかというと、しっとりふわふわしたパンやケーキだ。
サンドイッチ、ロールケーキ、ホットケーキ…。
タロウと食事をするならば、偏食で口から吐き出すものを受け取ってやる覚悟がいる。
さらに、飲み込めなくなってしまった時には、口から掻き出してやり、嘔吐を始めてしまっても、諦めずに掻き出す覚悟がいる。
嘔吐恐怖症の私は、タロウと二人きりの食事に、どうしようもない緊張感がある。
生きた心地がしない。
高所恐怖症の人が高所に居続けるようなものだ。
タロウは特別児童扶養手当の対象になっている。
この手当は、タロウを育てる扶養者の為に支給されているそうだ。
例えば、もし私が今、障害年金の対象者になれば、特別児童扶養手当はいただけなくなる。
[ad#yume_inline]タロウと扶養者が生きやすいよう、有意義に使えたらいいと思うが、なかなか難しい。
タロウは多分、基本的にはおとなしいタイプの自閉だが、食事の介助が必要なので、保育園に入る時は見た目より重度の扱いになるかもしれない。
とにかく、タロウを安心して任せられることが再優先だ。
その前に、“飲み込めない”がなくなることを望んでいる。
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