夫のおばあちゃんちへ、家族三人で行った話の続きです。
息子の乗り物酔いが確実に大丈夫だと思われる推定時間は、自動車で数分、電車で20分です。
これでは近場しか行けません。 でも、最近酔い止めが飲めるようになりました。
3才の頃はまだ幼いからと医者に止められていましたが、もう4才になり、飲ませないと私の実家にも安心して帰れなくなったからです。
息子も理解し、飲むことを嫌がりません。 まだ薬の効果があったのかを確認するまでに至っていません。 薬を飲ませてるのに、先手先手を打って休憩させてしまっているからです。 息子がどこまで酔わずに行けるかは未知の世界です。 今回は、その未知の世界へのチャレンジでした。
電車 約25分 →電車 約25分 →新幹線 約75分 →自動車 約25分
だったので、私の「覚悟」と「諦め」が必要でした。 休憩を何度入れるとか、計算する気もしませんでした。 気が遠くなるだけです。 自分のことで精一杯の、自己中な旅です。 しかし、夫が私に求めていることは、「母親らしい対応」ではなく、「とにかく行くこと」だと思います。 「とにかく行くこと」が3年もできなかったのですから、これでも大きな前進です。
不安対策のため、厄払いの時に買ってもらったブレスレットお守り、柑橘系の飴、ミント系のガム、iPodを持ちました。 もちろん、息子用の汚物袋と着替えも…。 息子に乗り物酔いの薬を飲ませ、出発です。 最初の乗り物 電車 約25分。 息子はぐずったりしてないものの、無表情だったので、酔ってるかどうかが分かりませんでした。
息子はおしゃべりですが、自分のことを話すことがあまりできないからです。 私は不安による軽い吐き気がしたので、用意しておいた柑橘系の飴を口に入れました。 幸い、息子は酔いませんでした。
二番目の乗り物 電車 約25分。 息子の無表情はどうやら薬による眠気だったらしく、途中から寝てしまいました。 私の緊張は既に最高潮を迎え、手が冷たくなり、生きた心地がしませんでした。
「私ならできる。私は受け入れられる」
と、不安な気持ちを打ち消すように心で何度も繰り返し、自己暗示をかけました。 自己暗示なんて簡単にかかるものではありませんが、多少は気が紛れました。 幸い、息子は酔いませんでした。 三番目の乗り物 新幹線 約75分。
電車を降りる時目覚めた息子は、新幹線にワクワクしてる様子でした。 窓の外を流れる見慣れない景色に釘付けでした。 いくら薬が効いてたとしても、さすがにこれではまずいと思いました。ちょうど車内販売が来たので、好物であるアイスクリームを買ってあげました。 アイスクリームに楽しく集中して欲しかったからです。
[ad#yume_inline]夫はビールとおつまみを堪能してました。 私は食べ物どころではなく、自分の心をどうやって落ち着かせるかを考えてました。 iPodを聴き、柑橘系の飴を口に入れ、また自己暗示の言葉を繰り返してました。 降車時刻と現在時刻を見比べ、カウントダウンばかりしてました。 とにかく長かったです。 時間てこんなにも長いものなのか、こんな長い時間極限状態でいいのか、と思いました。
幸い、息子は酔いませんでした。
四番目の乗り物 自動車 約25分。
タクシーの運転手に乗り物酔いのことを伝えました。 最後の乗り物だけど、特に車に弱い息子にとっては最大の難関かもしれないと思いました。 田舎なので、外は真っ暗でした。 夫の膝の上に座る息子の表情が見えませんでした。 息子の動き一つにビクビクし、「お願い、早く着いて」と焦るように念じ、外を眺めて気を紛らわしていました。
ゴールが近いので、もう自己暗示はかけませんでした。 幸い、息子は酔いませんでした。 最後まで酔わずに到着できました。 どれだけうれしかったことでしょう。 息子は楽しめたと思います。 私は何より、自分が走り抜けられたことに感動でした。 どこまでも自己中だと自覚しています。 夫の念願がやっと叶いました。
夫のおばあちゃんちは本家です。
大家族です。 皆さん、突然の訪問に快く迎えてくれました。ご先祖様も待っていてくれたのでしょうか。一泊二日ですが、充実した楽しい時間を過させてもらいました。
帰りも乗り物酔いはしませんでした。 私の不安は行きの半分くらいでしたが、やはりつらかったです。 これだけのことを成し遂げたから、もしかして心の病に良い変化があるかと思いきや…
今まで通りの日常に戻りました。 何も変わりません。 相変わらず、不安に苦しみ、息子に怒鳴り散らしてます。
むしろ、心の疲れが出てしまい、悪化してるかもしれません。
今回のことが、これからジワジワと自信に変えていけたらと思います。
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