訳あって、タロウにきつく叱った。
言ってもわかってないんだか、響いてないんだか、手応えがない。
それでは私の怒りはおさまさない。 タロウに物をぶつけて泣かせ、「タロウなんか嫌い」と言って泣かせた。
泣かせないと怒りは爆発しそうだった。 泣いたあと、タロウが布団で添い寝したいと言った。
私との一番の居心地の良い場所だからだろう。
最近私は泣きたくなっても泣けないけど、心の中を洗い流したくて、無理矢理泣いてみた。
泣ける言葉が「何でこんな子生んじゃったんだろ」だった。
心の中で繰り返した。涙のスイッチだから、こんな罪な呪文を許して欲しい。
泣き始めたら「うわ~ん」と泣けてきた。 すっきりするまで泣こうと思った。 が、添い寝のタロウが、「何泣いてるの?」と笑った。 笑うか、普通。涙は引っ込み、私はタロウの頭を叩いた。憎しみを込めて説教した。
布団の中で携帯を打つ私の横で、タロウにしては珍しい行動をとっている。
[ad#yume_inline]毛布を頭まですっぽりかぶり、身動きをとらない。
考えているのか、無理矢理寝ようとしているのかよくわからないが、何があっても『ママ命』なことには変わらないらしく、張り付いている。 たとえタロウに障害があったとしても、許せないことは許せない。
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