タロウのこだわりが私と母の前に立ちはだかった。
母がタロウのこだわりに付き合って電車に乗り、私は家で一人遅い昼食をとった。
私はタロウを母に預け、歯科に行ってきた。
歯にかぶせてある物が4箇所も取れている。
歯科恐怖でかれこれ5年も行ってなかったが、やっと決心をつけ、予約した。
歯科では、問診表にも、助手や先生にも、なさけない説明をした。
場合によっては吐き気をもよおしてしまうこと、だから恐怖感があるということ。
親切に私に合わせてくれた。
明るい雰囲気のいい歯科だった。
留守番の母とタロウに出てきてもらい、スーパーで買い物をした。
いつもと違う行動パターンに、タロウは私や母と違うゴールに気持ちが暴走してしまった。
自宅への帰り道、「快速、快速」とぐずりっぽく言い続けたタロウ。
こんな時はもちろんおんぶ。
自宅に入ろうとしても諦めない。買ったおやつを見せても諦めない。
母がタロウを電車に乗せることを提案した。
昼食をとってなかった私は、買い物袋を持ち、一人自宅に戻った。
1日目にして重い生理中で、恐くて約5年も行けなかった歯科に行った私は、心も体もぐったりしてしまった。
[ad#yume_inline]夜、私は地獄へ落ちた。
母が帰宅。 生理は重い。
ダンナは送別会。 なのに、タロウはぐずるように私に要求と拒否の嵐。
タロウは『こだわり』の時、人格が変わる。
私は不安に襲われ、こんなに不安なら死んだ方がマシと思うほどだった。
自分ではどうしようもなく、ダンナにも母にも電話した。
誰かがいてくれないと気が狂いそうだった。
私とタロウが消えさせすればこんな迷惑をかけずに済むのに。
もう迷惑かけるのも疲れた。
送別会を抜け出したダンナよりも先に、タロウの眠気が限界を超えた。
私を苦しめたことを詫びさせ、抱きしめたらやっと眠りについた。
コメント